(せん)()溶岩

仙田溶岩(lsd)は、池田湖南西部に位置する仙田地域に分布する池田火山噴出物で、角閃岩斑晶を含むデイサイト溶岩で、中村真人“指宿火山地域における新しい火山活動の可能性(火山 第2 25 3号,1980年)で採用された試料の二酸化珪素(シリカ)、アルカリ成分含有量は各々63.3%5.3%となっています。唐船峡東部の池田湖沿いの農道で露頭を確認できます。

仙田溶岩露頭
角閃岩斑晶の含有の多い仙田溶岩の露頭

露頭は唐船峡の西側の一部に限られ、北側は池田湖火山灰(Ika)、南側は池田火砕流堆積物(Ikp)に覆われていますが、指宿火山群との関係を判断できる露頭はないようです。角閃石斑晶が指宿火山群由来のものではないこともあり、池田火山の活動初期の地質と考えられているものの、年代値を示すデータもありません。

 

仙田は唐船峡の名水で知られるところで、“京田湧水”として環境省の“平成の名水百選”にも認定されました。

京田湧水は池田湖の伏流水ではないかと考えられていますが、確認されるには至っておらず、その水量と池田湖の水位の関連性については、阿部(1972[1]等の観察・検証結果が報告されています。

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[1] 阿部 雅雄“池田湖の水収支に関する研究”,鹿兒島大學農學部學術報告 第22巻,1972330日。

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