狩集(からすまい)溶岩

狩集溶岩(lks)は狩集の小型の台地地形の道路脇で露頭を確認できる斜方/単斜輝石安山岩溶岩です。北西方向で入戸火砕流堆積物、南東方向で池田火砕流堆積物に覆われていますが、年代値は明らかでなく、古期指宿火山群に分類されているのは、火山地形が残されていないことによるものです。川辺禎久・阪口圭一“開聞岳地域の地質(国立研究開発法人産業技術総合研究所 地質調査総合センター,2005年,地域地質研究報告-5万分の1地質図幅 - 鹿児島(15)第100号)”では東側に北東・南西走向で東落ち、西側に西北西・東南東走向で南落ちの正断層が想定されており、そこで採用されている試料の二酸化珪素(シリカ)とアルカリ成分の含有量は、こちらからpop-up表示される図 に示す比率となっています。

狩集溶岩露頭

狩集の露頭は80.7m三角点に向かう道路に限られ、擁壁工事と植生により限られたものとなっていますが、宇井(1967[1]では“宮ヶ浜北方の海岸にも同質の溶岩がわずかに露出する”ことが確認されていることから分布範囲は比較的広く、層厚も40m以上とされています。()城市(じょういち)と思われるこの地点の海岸も、その後の護岸工事により様相を変えており、“わずか”な露頭の具体的な地点を特定するに至っていません。

かりあつまり/かりやづまり 尚、“からすまい(狩集)”は川辺・阪口(2005)、宇井(1967)でも模式地名として採用されている伝統的な地元読みですが、そこで湊川に架かる石造りの拱橋では“かりやづまり”、コンクリート製の橋とバス停留所では“かりあつまり”。正式な地番名は“かりあつまり”のようです。

“かりやづまりはし”の画像は“指宿・頴娃の拱橋”のページでご覧頂けます。



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[1] 宇井忠英“鹿児島県指宿(いぶすき)地方の地質”,地質学雑誌 第73巻 第10号,196710

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