高江山溶岩

高江山は指宿市北部に位置する標高 232.5mの山体で、古期指宿火山群に属するとされていますが、火山の原地形面は残されていません。阿多火砕流堆積物に覆われる地質遺産で、年代値は測定されておらず、阿多火砕流堆積物以外の地質ユニットとの関係も明らかではありません。活動時期が約110年前とされているのは、山頂周辺に分布する高江山溶岩の岩相(角閃石斜方輝石デイサイト溶岩)と、脆くなってはいるものの、南薩火山岩類と比較すればその変質の程度が軽微であるという観察結果から、年代値が得られている矢筈岳火山と同時期に活動したと考えられていることによるものです。

Matumoto1943[1]は、山体南側の地形から、魚見岳火山から高江山にかけての地塁状地形の南縁を“阿多カルデラ”北縁を構成するものと位置付けていましたが、川辺・阪口(2005[2]は、大規模な断層活動が発生したとする説には疑問を呈しており、“阿多カルデラ”自体が Matsumoto1943)で想定されている位置には存在しないという見解が現在では一般的です(“阿多カルデラ噴出物”、“古期南薩火山岩類”のページをご参照ください)。


高江山溶岩





[1] MATSUMOTO, Tadaichi(松本唯一)“The four giganitic caldera volcanoes of Kyusyu(九州に於ける四大カルデラ型火山)”,1943219
[2] 川辺禎久・阪口圭一“開聞岳地域の地質”,国立研究開発法人産業技術総合研究所 地質調査総合センター,2005年,地域地質研究報告-5万分の1地質図幅-鹿児島(15)第100号。

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